木育_NEWS育む
2017年、木育に取り組んだ初めての年vol.1
こんにちは。田舎生活研究所です。
さて、先日投稿させて頂いた「綾部の木育ってなんだろう?」に引き続き、今回は2017年の取り組みについてお話させて頂きます~!初年度ということもあり、綾部の木育、綾部の木育、綾部の木育…とず~っとメンバーは頭をひねっておりました。「都市圏ならまだしも、綾部のような中間山地で木育?」という意見が出たり、「いや、田舎だって意外と人々は都市化していて、今こそ木育が必要だ!」とか、どうしたら「木育」をキーワードに移住者を集めることが出来るのだろう??と…
その頃、綾部市内では取り壊されそうになっていたカトリック教会の再生プロジェクトが着々と進んでいました。少子高齢化でこちらの教会も福知山のそれと合併することになり、地域住民から「さみしいね」という声も聞こえながら、取り壊されようとしていたのです。その話を聞きつけた、代表の原田が「あまりにももったいない。」ということで、本人曰く、漢を見せる時だ!っと買い取りました。がしかし、どういう活用がいいのか??こちらも頭をひねる毎日…教会レストラン?シェアオフィス?イベント会場?木育ひろば?…などなど。
導き出した答えは!「コワーキングスペース新宮」でした。元々移住者が多い綾部では、フリーランスで働く人もあり、新たなビジネスが生まれる場所としても面白い、この辺にないし…ということでスタートしました。
↑こちらはシェアオフィスです。教会の横にある元教会付属の病院で、部屋数もあり、綾部の企業さんなどに現在はご利用頂いています。
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因みに2018年から現在の姿はこちら…
↑2018年に教会のコワーキングスペースで開催された、初めてコワーキングスペースを日本でスタートされた方のお話し会兼、交流会。詳しくはこちら。
現在は、東京から移住して来られた宮野さんによって教会レストランGet Me To The Churchに生まれ変わりました。もちろん、2階ではコワーキングスペースが継続中です。
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っと教会プロジェクトの余談が長くなってしまいました。(汗)ええっと、そうです、2017年、「綾部の木育ってなんだ?」と色々と悩んでいるときに、とにかくやってみよう!ということで、2018年1月に木育カフェin綾部を開催しているのです。
↑こちらは木育カフェの登壇者と参加者が意見交換をする様子です。マイクを持っておられるのは、綾部のかわいい雑貨とおもちゃのお店チャープ (chirp)の店主さんです。また、手前におられるのは、綾部のアクティブ夫婦、大力夫妻です。小さなアースデイなど面白い取り組みを色々されていますよ♪そしてそして、2018年も、2019年もお世話になっているあやべ・里山ねっとの朝倉さんは壇上におられますね。
↑こちらはスペシャルゲスト、東京おもちゃ美術館の多田館長です。今回は、綾部でのお話しということで、木育で地域活性が可能なのか?をテーマにお話しを頂きました、森林の間伐遅れのお話しから、東京おもちゃ美術館が様々な地域におもちゃ美術館をプロデュースすることで、子育て世代が集まる場作りになっていること、観光地化にも成功してる事例などをご紹介頂きました。また、東京おもちゃ美術館では、ママさんたちのSNS活用によって情報拡散が広がり、広報の大きな力になっているとも。その他には、高齢者施設を木育化することで、認知症にもなんらかの効果が期待できるのでは?というった事例まで…
綾部で木育をスタートさせるためのヒントがたくさん詰まった内容でした。
こちらは、教会に展示された木工品や奈良県吉野町からゲストとして来て下さった、担当の橋元さんや紙森さんのブースです。吉野の場合は、昔から林業が盛んで、教育委員会とも絡み、小学校や中学校、高校などと連携しながら、本気で木育に取り組んでおられました。町の主要産業が林業というのが、重要なポイントなのかなと感じました。地域的には和紙産業も盛んで、綾部と同じく、小学校の卒業証書を児童が自分で漉くというところも類似していました。いかに、地元の子供たちの中に地域愛を育むかも大切なポイントですね。
そんなこんなで他にも与謝野町の植田さんに自身のご家族と森林の暮らしをお話し頂いたり、綾部でモデルフォレスト事業に取り組まれる大槻さんにお話しを頂き、北部との連携を図る方法なども模索しました。
綾部市への近年の移住者の平均年齢は約35歳と子育て世代が占めています。例えば、田舎あるあるで、子育て中に気軽に親子でいけるショッピングモールなどがなく、お家でちょっと孤独になってしまう、なんて方もおられます。まあ、大自然の中でのびのび遊ぶ子供たちもたくさんいますが、冬場は特に家の中にいることが多く、時々息抜きしたいことが親も子もあるのです。そんな、需要と供給が丁度マッチしたな~という事例が、翌日に開催した「木育こども祭り」でした。
木育こども祭りに続く…
綾部の木育ってなんだろう?
こんにちは。田舎生活研究所です。
さて、2017年からスタートした田舎生活研究所は今年で3年目に入ります。2017年は、綾部の不動産屋原田商店と京都ペレット町家ヒノコが出会い、綾部への移住者を増やすため、「木育」をキーワードにイベントやツアーを開催させて頂きました。
【木育とは?】幼い頃から木に親しみ、自然を身近に感じることで、豊かな感性を育むことです。木のおもちゃであそぶ、近くの森にでかける、家や生活雑貨に国産の木を取り入れる、など取り組み方は様々です。また、最近では各地域で木育をテーマにした地域おこしが行われており、今注目の運動です。
近年、「食育」という言葉も出たりと、暮らしの変容によって、子どもたちの暮らしも変化しています。ひと昔前なら、お家でご飯を作ることは当たり前で、母が子に教える時間もありました。しかし、今では外食産業も発展し、便利で安い、どこに行っても簡単に食べ物を手に入れることが出来ますね。料理の時間を短縮して、その時間を有意義に使うことが出来るというメリットもあれば、その食べ物がどこからきて、どんな調味料で、誰が作っているのか、など「頂く」ということの意識が随分変わって来たように思います…っと余談が長くなりました。
そういうわけで(?)「木育」という言葉もまた、ひと昔前までは日本の豊富な木を使った生活雑貨や建物に囲まれていたわけですが、現在では便利で簡単、安い様々な素材にとって替えられ、木というのを逆に見なくなりました。そして、木の物を実際手に取っているとしても、近くの木ではなく、遠く離れた外国の木だったりすることも少なくありません。それがいけないのか?一つ問題になっているのが、地方の山林の荒廃です。昔は、燃料といえば炭や薪など近くにある山から採れた木のエネルギーでした。そのため、冬になると死活問題になる薪集めや炭を生産することは重要で、その源である、山林には常に人が入り、木を植え、間伐し、手入れを怠らなかったわけです。
しかし、戦後の拡大造林計画によって、すぐに成長する杉をたくさん植えた山は、時代の流れにより、木を使うとかえってコスト高になってしまうという状態に陥りました。今は、このたくさん植わった木を適切に間伐して、適材適所に使われるように山に手入れをする時期です。しかし、山に手を入れれば入れるほど赤字になる時代、なかなか厳しいのが現状です。例えば、FIT制度を利用して、大型発電所に木材を売るという方法もありますが、適切に運用することが難しいという一面もあり…そんなこんなで、手入れされずにどんどん杉が大きくなり、満員電車状態の山が綾部もしかり、日本中に存在しています。
そういった現状は、古民家再生に無関係ではありません。先述したように、昔は暮らしと木のエネルギーがセットでした。そのため、綾部の物件で素敵な古民家に山林が付いてくるのは少なくないのです。田舎暮らしに憧れるけれど、実際仕事や家事、子育てをしながら、山林や田畑の整備をしていくのは一苦労。昔のように村のコミュニティーや大家族であれば話は変わりますが、なかなか少なくなっています。
さて!こうした問題をどう捉えるか!?というのが今回の綾部の木育でもあったのです。
2017年の取り組みに続く…